叙述トリックものの楽しみ方の矛盾点

叙述トリックものを読む時に一つだけ不満がある。

僕的には、それこそが叙述トリックの矛盾と呼べるものだと思っている。

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叙述トリックとは

そもそも叙述トリックとはどういうものかというと。

小説という形式自体が持つ暗黙の前提や、偏見を利用したトリック。典型的な例としては、前提条件として記述される文章は、地の文や形式において無批判に鵜呑みにしてもいいという認識を逆手にとったものが多い。登場人物の話し方や名前で性別や年齢を誤認させる、作中作(劇中劇)を交える、無断で章ごと(時には段落ごと)の時系列を変えることで誤認させるなどがある。

英語には叙述トリックに対する直接の訳語はなく、「信頼できない語り手」という単語が同義語として使われる。

~ 引用 Wikipedia ~

簡単に言うと、読者にわざと勘違いさせるような手法って感じかな。

似たような言葉で「信頼できない語り手」という言葉がある。この言葉を知ったのは、この記事を書くために調べたからなんだけど、この言葉は言い得て妙だね。叙述トリックという言葉について調べて得した気分になった。

叙述トリックの性質

叙述トリックについては、何となく分かってもらえただろうか?そう、読者を騙し、勘違いさせ、誤認を引き起こすようなもの。ミスリードなんてよばれることもあるらしい。

たとえば、このブログでの一人称は『僕』だから、僕のことを男だと想像してると思う人が多いと思う。そうでしょ?

でも本当は、女なんだ!なんて言われたりすると驚くわけだ。(←実際そんなことはなく、男だけど)

このたとえだと、低レベルすぎて話にならないかもしれないがww

もしかしたら、叙述トリックともよべない代物かもしれない。

男女を誤認させる叙述トリックについては、小説の登場人物からしたら女だとわかりきっているものを読者に誤認させるためにわざと中性的に書いたりするわけだ。

こういう読者を誤認させるためだけの手法ってどうなの? って主張もあるみたいだが、僕のここでいう叙述トリックの矛盾とは関係ないから、気になったなら調べてみるといい。

叙述トリックの矛盾

叙述トリックに求めるもの

さて、本題に入ろうか。僕が叙述トリックに求めているのは、最後の驚きなんだ。

「うわっ、騙された」とか「そういう解釈もあったか」みたいな驚き。

いわばサプライズパーティーのようなものだ。

サプライズパーティー

せっかくサプライズパーティーという言葉を出したらから、サプライズパーティーで僕のいう叙述トリックの矛盾を伝えようと思う。

サプライズパーティーをされたことを想像してみてほしい。

されたことがないから想像できない? 僕もされたことがないので大丈夫だ。

想像するにきっと、とても嬉しいものだろう。そして驚きもあるだろう。

では、サプライズパーティーで興ざめになることは何か想像してみてほしい。されたことが(略 僕も(略

だけど、これは想像しやすいかと思う。サプライズパーティーが興ざめになるのはサプライズじゃなくなった時じゃなかろうか。

誰かに事前に伝えられてしまったとか、ふとしたことから気付いてしまったとか。そういう時に、少し興ざめしてしまうだろう。

では、サプライズパーティーがサプライズでなくなったからパーティーが楽しくないかと言われるとそうではないはずだ。想像だけど。

叙述トリックにもこれが言える。

叙述トリックでは

叙述トリックものの小説もサプライズパーティーの例と一緒。

叙述トリックのものの小説を読む時に、叙述トリックがあるものだと知っていると、楽しめはするが楽しみが半減しているような気持ちになってしまう。

そして、これは叙述トリックものの小説を読みたいと思う気持ちの矛盾がそうさせてしまうのだ。

例えば、叙述トリックものの小説読みたいときにどうする?

  • ネットで検索
  • 本の帯なんかで判断
  • 本屋のポップで判断

そんな感じで探すことが多いんじゃないかな?

そう、叙述トリックものの小説を読みたいと思って自ら探した時点で、叙述トリックの楽しみが半減してしまう。

これこそが、叙述トリックの矛盾だ!

そして、叙述トリックものが読みたいと思った時点で、叙述トリックの矛盾は避けられないものになってしまう。

今更だが、ここまで叙述トリックの矛盾と言ってきたが、もしかしたら叙述トリックのジレンマの方がわかりやすいかもと思い始めてきた。変えないけど。

叙述トリックものの小説の最高の探し方

これは、今の僕には一つ思いつかない。

矛盾しているようだが、叙述トリックの小説を探さないことだ。

何の情報もなく、たまたま買った小説に叙述トリックの手法が用いられていた。これが最高にして至高であると思う。もしも、他の方法が思いついたらぜひとも教えて欲しい。

叙述トリックのおすすめ小説

叙述トリックの矛盾とか言っておきながら、おすすめを紹介するのかと、お思いだろう。

たしかに、何も知らずに読むのが一番だ。ただ、叙述トリックだと知っていても面白いものは面白いものだ。

だから、僕自身がたくさん読んだ中でおすすめしたいものを少しだけ紹介したいと思う。

叙述トリックものを紹介するのに紹介文やレビューはない方が良いと思うので、タイトルと著者名だけにとどめておこう。

葉桜の季節に君を想うということ』歌野 晶午

読んだことがない方は是非読んでみてほしい。